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黒歴史は貴方とだけの秘密

9999-01-01目次

LalaineLalaine2011/04/16 21:06Kudos to you! I hadn't thoguht of that!

ymwztdxvymwztdxv2011/04/17 20:23cpGu1b <a href="http://lqdghhkqgbkh.com/">lqdghhkqgbkh</a>

nahcfmnahcfm2011/04/23 19:33sBeFK9 <a href="http://mpfxgtaerbmb.com/">mpfxgtaerbmb</a>

drfoyycaukgdrfoyycaukg2011/04/24 23:15ZLrzFp , [url=http://fhloctkbjivq.com/]fhloctkbjivq[/url], [link=http://urbsuurxjcxw.com/]urbsuurxjcxw[/link], http://sifwatnqdzkr.com/

QoncaQonca2013/04/06 00:03Kudos to you! I hadn't thgohut of that!

ivzcamouivzcamou2013/04/07 07:55SLBCvU <a href="http://gdagmjpwwppc.com/">gdagmjpwwppc</a>

2008-02-06賢者は部屋で孤独を試みる (第1話~)

第1話 23:12

 例えば、全ての魔法使いが戦場において派手な魔法を駆使して活躍するというような偏見は嘘であり、多くの場合は平凡な兵士の一生と同じく、人からも注目されず、歴史にも残らず、近場の酒場でクダを巻いたりするような人生を送るものであり、事実、僕の人生も似たようなものであった。僕自身、ある種の魔法使いというか隠居生活に憧れて、森の人里離れたところの家に住んでいたものの、平凡な自分にとっては単に様々な食料を手に入れたりするのが不便なだけであり、時々尋ねてくる魔法具の修理やあるいは薬の精製の依頼を受けては日銭を稼いでは焚き木の少ない夜には身体に毛布をかけてなんとか凌ぐということを繰り返しているだけに過ぎない。それは場合によっては酷く退屈なことであると同時に、酷く身体にこたえる作業でもある。

「居るか?エセハラ」

 ドアを勝手に開ける一人の少女。狐耳をピンと尖らせ、ふわふわとした尻尾を揺らしている。黒の異国の着物を羽織った少女。僕の師匠の一番弟子である彼女は、その実力の為か、様々な国に出向いて、何か得たいの知れない仕事を行っている。そして、一番の僕のお得意様でもあった。きっと過去の繋がりの情けというべきなのだろうか、簡単な仕事を発注してくれていて、少し高めに支払ってくれる。

「ええ、キツネコさん、魔法具への魔法補填及び修理ですね、無事できていますよ」

 僕は杖を取り出すと、彼女に渡した。彼女は少し日光に照らし、宝石の中で蠢くマナの様子をじっと観察した後、少しの金貨を取りだし、僕の手に握らせる。

「ありがとうございます」

 そういうと、近くにある粗末な椅子を引きつけ、僕へと近づく。

「ところで、君は何時までこんなところでくすぶっているつもりなんだ?」

 僕は彼女を見る。冷ややかな軽蔑した目つき。

「いえ、僕は今の生活が気に入っています」

 彼女は鼻を鳴らした。

「ふん、こんな生活をしていてくすぶっていて何の意味があるんだ。馬鹿馬鹿しい」

 正直、この人のこういうところは苦手だった。流石に師匠の一番弟子だっただけはあり、人一倍の才能と、人一倍の努力を行ってきた人なのだろう、とは理解できるのだけれども。

「ねね、お兄ちゃん、遊ぼう遊ぼう」

 もう一人、面倒臭い子が入ってきた。猫耳の少女。ショートデニムに薄手のシャツ。腰に投げやすいように加工されたナイフ。その子は盗賊だった。数日前に道端でお腹を好かせて倒れていたところを助けてから、妙に懐くようになっていた。彼女は部屋に入るや否や、僕へと抱き着いてきて、頬を胸へとすりつけている。

「お兄ちゃん、ねぇ、私、こないだの依頼上手くやったんだよぉ、誉めて誉めて」

 僕は頭をゆっくりと撫でる。キツネコさんは、足で床をトントンとやっており、少し苛立っている様子だった。

「そこの小娘、エセハラは私と話をしているのだ。あまり邪魔しないでくれないか?」

 猫耳の少女はゆっくりとキツネコさんのほうを見て、くすくすと笑った。

「あー、やだやだ、年増になると僻みっぽくなるからやだねー!ねね、お兄ちゃんもこんなオバサンに絡まれて大変だね」

 少女は悪戯っぽく笑う。キツネコさんは、杖を手に取ると扉へと向かっていった。

「あ、あの、キツネコさん」

 僕は取り繕うように話す。

「実に不愉快なので今日はこの辺で立ち去らせて貰います。いいですか、そういう風に小娘と遊んでいるから貴方はいつまでもうだつが上がらないのですよ、それは覚えていたほうがいいですよ」

 扉が強く叩きつかれる音。猫耳の少女は喉をごろごろと鳴らす。そして、僕の頭を優しく抱えるとそのまま唇を重ねる。

「うふふ……エセハラは、あんな年増よりも小娘のほうがいいんだもんね」

 取りあえず、喧嘩は辞めて欲しいのだけれどもなあ。

jituzonjituzon2008/02/06 23:33おばさんとか年増とか書くな! 差別反対!

EarnhardtEarnhardt2011/04/16 11:58Kudos! What a neat way of thninkig about it.

fbuvpqxmboqfbuvpqxmboq2011/04/16 19:08diYKIi <a href="http://ighhzwgruwyk.com/">ighhzwgruwyk</a>

ytnyxlqytnyxlq2011/04/23 17:296klQN0 <a href="http://bbefbeajlxrp.com/">bbefbeajlxrp</a>

2008-02-03とりかえばや地獄変(1話~)

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第一話 21:52

 僕は混乱していた。

 寂れたアパートの屋上にいるのは僕と、"女の子"と"男の子"だけ。

 "女の子"は僕の背中に隠れ、現れた"男の子"を見ている。一方、現れた"男の子"は"女の子"を睨み、拳を作り、震えていた。そして、叫んだ。


「その子は本当は"男の子"なんだぞ!」


 僕は後ろを振り向き、その子の顔をじっと見る。すこしカールの入った、日光に当たるときらきら輝く栗色の髪の毛。ぱっちりとした目。白いブラウス。フリルの入ったスカート。まるで人形のように繊細な肌。この子が"男の子"なんて悪い冗談だと思う。あるいは神様の悪戯だと思う。


「本当?君が、男の子だなんて」


 僕は恐る恐る聞いてみた。"彼女"は表情を崩さず、僕を見上げてこのように言った。


「ええ……"彼女"がいうことは本当です」


 そう言って、笑った。簡単には信じられない。何か馬鹿にされている気がした。


「冗談ならばよしてくれ」


 僕は少し苛立ち半分に言った。何か、認めたくない気持ちで一杯になる。"彼女"は無表情になり、落ちこんだ顔をして僕へ再び言った。


「ええ、本当です。私自身もこうなってしまった以上、もう隠し通す必要がないと思いますし、何時かはばらされることだと思っていました。彼女に。ええ」


 目の前にいる"彼"は少し見下した眼差しで僕達のやりとりを見ている。嘲笑うかのように。


「でだ。本題はそこにあるのではない。そいつと別れて俺と付き合って欲しい」


 急展開。たぶん、僕は呆気に取られていたのだろう。"彼"は慌てて訂正した。


「誤解するな。俺は女だ」


 先ほど"男"だといわれた"彼女"はじっと"彼"を見ている。敵意に満ちた、憎悪の眼差し。悲しみの眼差し。

 "彼"の姿を改めて見る。短髪の黒い髪。黒い皮のジャケット。すらりとしたジーンズ。とても肉体的で躍動感のある体つき。長身。"彼女"が繊細で弱弱しく、すぐに消え入りそうな存在だとするならば、"彼"は余りにも野生的で圧倒的な存在感をそこに放っていた。


「……そんなことを、伝えるために、貴方は来たのですか?」


 消え入りそうな"彼女"。とても悲しい表情を浮かべている。


「……一年前もそうでしたね。貴方は私の恋焦がれていて、やっとの思いで結ばれた人を、そのように切り裂いた。私は上手く上手く行くと思っていましたよ。なのに……あのように略奪した彼はどうなりましたか?」


 声の調子には、さっきよりもさらに力が無くなっているが、明らかに、馬鹿にしたような、軽蔑したような声。


「振られた」


 "彼"はぶっきらぼうに返事する。"彼女"は溜息を吐いた。そして、恨めしそうに、一言一言、呟いていく。


「そう、ですね。貴方は、いつも、そうでした。私から、勝手に、壊し、勝手に、奪って、勝手に、捨てていく……」


 "彼女"は震えていた。憎悪か、嫉妬か、憤怒か。恐らくその全部。

 でも、目の前にいる"彼"にしたところで同じなのかもしれないけれども。


「貴様、お前になんか俺の苦しみが解るのか!恋愛対象にも、それどころか性的対象にもならない俺の気持ちなんか解ってたまるのかよ!」


 三人の屋上で、"彼"の声だけが響く。向こうで掃除をしている従業員がこちらを怪訝そうな顔で見ている。それを見て、僕は少しだけ恥ずかしくなった。何か捻じ曲がった変な痴話喧嘩。空を見る。憎たらしいほどの快晴。そして赤。


「……そうやって、自分だけが可愛そうな子アピールですか。馬鹿みたい」


 といって鼻で笑う。


「よく聞いてくださいね。貴方はそう仰いますが、私だって告白を何度も行いましたよ。でもね、私が男だと解った瞬間、殿方達は私を疎ましい目で見、遠ざけていくのです。この恋がいくら本物だと主張しても、ですよ。そして裏で嘲笑われるわけです。おわかりですか?この辛さ。私の恋が受け入れられないどころか、踏みにじられ、滅茶苦茶にされる。そして例え結ばれたとしても、身体を合わせ、愛し合うことも許されない。だから我慢しましたよ」


 冷静な声。何時しか、体は小刻みに震えている。


「貴方は横暴なんです……自分にあぐらをかいているだけです……私のように努力したものにとっては……」

「うるさい!」


 響く声。太陽は余りにも神々しく赤い。


「俺は、こいつに聞いてるんだ!さっきの返事を」


 正直、僕はどのようにして答えるべきか、解らなかった。両者の表情を見る。不安で、怯えた目をする"彼女"。そして鬼のような形相で見つめている"彼"。僕は、解らなかった。だけど答えないのは、許されないことだった。


「いきなり、そんなことを言われても……取りあえず、待っていてくれないか?必ず答えは出す。いきなりそんな事をつきつけられても、僕にはどのようにしたらいいのか解らない。まだ君とも付き合えないし、この子と僕は付き合っていく」


 直視しなかった。僕は影が伸びたコンクリートを見つめていた。誰に向かって話したのだろう?もしかしたら誰にも伝わらず、このまま消えて行く言葉だったのか。抱きつく感触が腰のあたりからする。


「わかった、数日待つ。そしてまた答えを聞く」


 "彼"はそう言った。ゆっくりと目を上げる。彼は既に後姿になっていた。従業員は、もう何処かへ消えてしまっていた。再び二人。そして、泣きじゃくる"彼女"。


「うう、怖かったよ、怖かったよ……」


 顔をこすりつけ、僕の服で涙を吹いている。本当に、こんなかわいらしい目の前にいる"彼女"が男の子なのだろうか?未だにピンとこなかった。ピンと来なくても、僕は優しく頭を撫で、慰めた。彼女は濡れた目を僕に合わせ、言った。


「でも、あの人がこのままで引き下がると思わない……もっと強引なことをやってくる……」


 僕は"彼女"の勘が当たらないことを祈った。でも、これも神様の悪戯なのだろうか。その勘は見事に的中してしまう。

2008-01-22黒歴史は貴方とだけの秘密(7~?話)

第七話 01:43


「ねえ、お兄ちゃん、舐めてくれる?」


 妹は少し離れ、僕へと足の平をむけてくる。妹のショーツが太股の間からちらりと見える。挑発しているのだろう。傍目で見てしまう自分に情けなく感じる。妹は頬を赤らめているが、見下している表情は変わらない。


「どうしたの?お兄ちゃん、お兄ちゃんには"選・択・肢・が・な・い"んだよ?」


 選択肢がない。本当にそうだったのか。僕はそれを当たり前のように受け入れてしまっている。でも、違う筈なんだ。違う――。怪訝な顔をしている僕に、妹は次のように喋ってくる。


「なんだ、"写真"のこと、忘れてしまったんだ……」


 写真――そうだ。

 僕の"弱み"。


「私の"処女"を奪った写真のこと」


 ――そうだ。あの夜何があったのか、僕は思い出した。

 そのとき、妹は酷く汚れた服装をしていたのを覚えている。所々が破れ、ボタンは数箇所飛び、身体には少しのあざ。思いつめた表情。

 何か尋常なことがあったのかと心配した。レイプ?それとも虐待いじめ?僕は心配して声をかけようとした。しかし、何故か手足を離すことができなかった。良く見ると、手足には硬く縛った紐が何重にも巻きつけられていた。

 妹はベットへと近づき、僕を見下ろす。

 自分がこうであるという状況と妹の状況。そのふたつの現実離れした光景に、僕は混乱していた。電気のついていない部屋に差し込む月光が妹の横顔を照らし出していた。その妹の姿は儚く、壊れそうで、淫靡で、魔があるような顔で。

 妹は僕の頭を優しく撫でていた。そしてこう呟いた。


「お兄ちゃん……お兄ちゃんは私のことが好き?」


 さらに、この質問が僕を混乱させた。好き?なんだかんだいって兄妹なんだから。


「……好きだよ」


 妹は少し安心したような様子を見せた。そして、ベットの上に乗り、僕の身体を跨ぐ。


「……じゃあさ、"あの女"と私、どっちが好き?」


 あの、おんな?僕は有村さんをそのように失礼な呼びつけ方をすることに怒りを覚えたたわけではなかった。むしろ、逆に怖かった。目の前に突きつけられた事実が単純に怖かった。

 ――妹は、有村さんに、嫉妬している。

 それは、妹の僕への愛が故に――

 僕は青ざめてしまった。それを察するかのように妹は僕に身体を近づけてきた。顔と顔が近くなる。そして、更に認めたくないことに、妹は腰を動かしていた。まるで匂いを擦り付けるかのように。まるで、私のものだと主張するかのように。

 息つかいがはっきりと聞こえる。激しい息づかい。


「僕は、妹は妹だし、有村さんは有村さんで別様に好きなんだよ」


 声を荒立てるわけにもいかなかった。両親にこんな姿を見せたくはなかった。ただでさえ居場所がないのに、これ以上家の中で立場を無くすのは嫌だった。

 腰の動きはゆっくりと力強くなる。


「それは妹として、だよね?それは嫌」


 妹以外に何があるというのだろう。


「それに同じくらいというのも嫌」


 何かの液体で濡れた妹の手。その液体を僕の唇へとなすりつける。少し粘り系のある液体。何の液体かも知りたくはなかった。


「だって、お兄ちゃんと私は兄妹なんだよ。兄妹が一番大切で、一番愛し合っている。それが一番自然なことなんだよ」


 自然なこと。目の前で行う妹の痴態。それは果たして自然なことなのだろうか。


「お兄ちゃんは、あの女に騙されているんだよね、お兄ちゃんは私のことを絶対に好きにならなきゃ駄目なんだよ。あの女にたぶらかされて間違った方向に行こうとしているんだよ。だから、お兄ちゃんを目覚めさせなきゃいけないんだよ」


 僕は認めたくなかった。


「間違っている、間違ってるよ」


 そんなことを言えば、状況を悪化させてしまうだけなのに。


「やっぱり、お兄ちゃん、たぶらかされているんだね。目覚めさせなきゃいけないね」


 そのあとの記憶は、正直覚えていない。多分、意識的に思い出さないようにしているだけなのだ、と思う。ただ、鮮やかな血と、濁った白の色。それだけは覚えている。そして、彼女が言ったセリフ。


「ねぇ、この写真、お兄ちゃんが犯しているようだね」


 その次に残っている映像。朝の光を浴びて照らし出される妹の寝顔。

 多分、今までならば可愛いと思うんだろう。でも、僕は直視が出来なかった。妹は腕に握り、頬をすりよせていた。妹は、何もなかったように「おはよう」と言うのだろう。僕はそのことのほうが怖かった。

第八話 05:36

 目の前にあるのは、足。妹の足。

 僕は舌を出し、まずは足の裏に這わせ、土踏まずへと移動。土踏まずを軽く吸う。うっとりとした眼差しで見つめる妹。僕はそれを確認し、何度か吸う。そしてそのあとにかかとへと移動し、少し甘く噛む。唾液に濡れた妹の足は光を反射して艶めかしく照らし出されている。さらに足先へと移動し、指を一本一本、女性が男性器を口で愛撫するときの如く、その指先を口の中で転がす。静かな部屋にちゅ、ちゅという音が弱弱しく響く。それを両足に行う。妹の"許し"が出るまで、何度も。少し妹の顔を見る。妹は喜びに震えているようだった。倒錯的な喜び。最愛の兄を惨めな奴隷のように従わせることの喜び、なのだろう、きっと。

 妹は少し身体を起こし、そして"許し"を出した。僕は俯いたまま、動きを止めた。妹の手が頬をなぞる。優しく、慈しむ妹の眼差し。


「お兄ちゃんも嫌だったんだよね、あんな女に身体を汚されたんだから」


 共犯関係。

 僕は力なく縦に振る。僕は有村さん"も"裏切りたくはなかった。でも、妹がそれでは納得しないことは知っていた。妹は少し鼻で笑う。妹にとってはそれが演技であったとしても、儀式であったとしても、僕の反応を引き出すことが一番の成果なのだと思う。

 なぜなら、それこそ、"僕は貴方に隷属しています"という証だから。


「そうだよね、可愛そうなお兄ちゃん、ごめんね、罰なんて、お兄ちゃんも苦しいんだよね、あんな勝手に押しかけてくるような自分勝手な女を、あんなブサイクで身の程を弁えない女を、お兄ちゃんが好きになるわけないんだよね、ごめんね、お兄ちゃん」


 ゆっくりと妹は僕を押し倒す。ベットの上に横たわる僕と妹。僕は下で、妹が上。顔を首筋に近づける。


「可愛そうなお兄ちゃん、可愛そうなお兄ちゃん……」


 首筋を、跡が残るように強く吸う。何度も何度も。自分のモノにするために、何度も。

 妹は暫くすると、吸った場所を手で撫でる。


「お兄ちゃん、辛かったよね、私がたくさん慰めてあげる」


 慣れた手つきで僕の洋服を脱がし始める。ボタンを一つ一つ丁寧に外す。下着は首から。僕の、筋肉も脂肪もついていない、白い上半身があらわになる。妹はそっと耳をつけ、目を瞑り、鼓動を聞く。胸が上下する。指が胸についた傷をなぞる。妹はみみず腫れしたその傷を少し舐めると、ゆっくり顔を上げ、僕に言う。


「そうだ、お兄ちゃんは今日は裏切ったから、少し痛いの我慢しないといけないね」


 カチカチという音。妹がカッターを取り出す。ゆっくりと、かするように肌に当てて、横に動かす。僕は痛みで声が出る。妹の口は歪んだ笑みを浮べている。


「このまま押し当てるとお兄ちゃん、死んで私だけのものになるのかなあ」


 明るい声とその内容のギャップ。慣れた、というと嘘になるけど。

 傷口からは赤い液体が、線を引く。白い肌に赤の血。醜い自分の中から溢れ出したとは思えないほど、綺麗な、あざやかな色。妹は血を丁寧に舐める。舐めても舐めても溢れ出る血が、その傷口からただれ出る。まるで愛液のように。ぴちゃぴちゃと、牛乳をなめるように舐める。唇が血で赤く染まる。血は舌で伸ばされ、白い肌を浸食する。妹は満足したのか、ティッシュで抑えながら、僕へと唇をあわせる。鉄の味がする。


「お兄ちゃんの血、大好きだよ」


 妹の手はへそをなぞり、ボクサーパンツの下を張っていた。

 妹は何を望んでいるのだろう。

 僕の、何を。

第九話 21:50

 昨日のお詫びの為に、とあるファーストフード店で僕と有村さんは話をしていた。近場だと、妹にばれてしまう可能性があるため、有村さんの提案で普段と少し外れた町に来ていた。僕が詳細を話、頭を下げると、有村さんは指を口ぶるにあて、くりくりと目を動かし、少し笑った。


「んー、別に似非原君が悪いわけじゃないから、大丈夫だよ。気にしていないから」


 僕は少し安心し、頭を下げてありがとうと言う。


「いいよいいよ、そんなことしなくても」


 彼女はぱくりとハンバーガーを食べる。パンとパテの間からソースがこぼれる。トマトをベースにしたと思われる鮮やかな赤のソース。有村さんは唇についたソースを口で拭き、そして舌でぺろりと舐めた。そのあとは他愛もない話をした。最近、行っているバイトの上司がむかつく、とかそういう話。そんな話をしている彼女はとてもいきいきとしていて、僕は嬉しくなる。


「もうそろそろ帰らないと妹からまた文句言われるんじゃないの?」


 もうそんな時間だっけ、と時計を見る。まだ少し余裕があるから、大丈夫だよ、とは言うのだけれども、彼女は早めに出ていたほうが、ばたばたしなくて済む、と言った。確かに、ぎりぎりになって、何かのせいで遅れたならば、また妹に、また"制裁"をされるだろう。単純に困ってしまう。僕は、彼女の好意に甘えて、出ることにした。彼女は笑って、いいんだよといった。その笑い顔は本当に眩しかった。

 でも本当に、好意、なのだろうか?

 有村さんは少し早道をしようと言って、僕の手を握り、裏路地へと回る。道は二人並んでやっとくらいの狭さであり、その道を挟む無機質なビルが自らの存在を主張し、圧迫感を感じる。見上げると空が細長く切り取られている。今日は曇り。

 僕達は歩き続けた。右に曲がったり、左に曲がったり。僕はいったい何処へつれていかれるのか解らなかった。解っているけれども、このまま時空の歪みでもうひとつの世界へと軟禁されてしまうのではないかという気がした。でも、それで妹から逃げられるならば、それもいいかと少しでも思った自分は少し残酷な人間だと思った。

 気のせいか、段々と雰囲気が鬱屈したものとなり、人の臭いのしない道になってきた気がする。相変わらず僕を押し殺してくるビルの数々。

 ――そして行き止まり。


「あれ、道間違えたの?」


 僕は後ろから声をかける。彼女は素早く僕の後ろへと回り込み、僕を袋小路へと押し込む。遠近法の錯覚なのだろうか。見ては解らなかったけれども、段々と道は狭くなっており、袋小路の壁へとついたころには、一人通るのが精一杯で、すれ違うことも難しいような場所になっていた。


「ううん、間違っていない」


 不意に足元が崩れ、視線に入るのが道路から空に変わる。そのあと、有村さんが覗きこむ。


「手荒な事をしてごめんね。こうするしかないんだ」


 こうすること?どうして?僕は理由を聞こうとする。だけれども唇で塞がれる。


「ねえ、もう妹の思い通りになるのは辞めたらいいと思う」


 彼女は僕を見下ろしながら服を一枚一枚脱ぎ始めた。

 細長く薄暗い空。殺伐としたビル。そこに一厘の花のように咲く彼女。その彼女の白い肌は何かの御伽噺から抜け出てきたように綺麗だった。出るところは出て、引き締まったところは引き締まった、メリハリのある、肉感的な身体。もしかしたら本当に御伽噺なのかな、とも頭では思った。そうであった欲しかった。でも現実。手を伸ばし、僕の首筋を軽く爪で掻く。妹との鎖の跡。


「妹に言いように扱われて苦しいんだよね、解ってる。その鎖は今のうちに切り離しておかないと、段々と貴方をがらんじめにして窒息させてしまう」


 そんなこと、昔から解っていた。でも、僕にはどうすることもできなかった。いや、なんとかすれば出来たのかもしれない。でも妹に対する疚しさもあったのだろう。彼女の愛に答えることができない、自分の不甲斐なさに。


「私と、セックスすれば、妹の鎖も切れるよ」


 でも、それは別の帰結を作り出す。

 つまり、彼女の鎖を受け入れるということ。

 それは、妹の鎖よりも幸せな鎖になるのだろうか?


「でも、似非原君は怠け者だから、なかなか自分ではやりたがらないし、仕方ないから私が無理矢理するんだ。うらまないでね。これは似非原君の幸せ"でも"あるんだから」

第10話 21:31

 空は曇り。

 もはや生活感の欠片も無いビル。 頽廃とした雰囲気の傍で一輪の花のように、咲く彼女。淫らに咲く彼女。余りにも静かで、吐息だけが何度も聞こえる。僕は何をしているのか解らなかった。上下運動。僕に肌を合わせる。耳元で、吐息が聞こえる。くすぐったいような、わけのわからない感情が胸の奥から呼び起こされる。

 電話が鳴る。着信音は、『天国と地獄』。妹専用の着信音。


「……出たら?」


 彼女は顔を笑う。歪んだ顔。着信音。吐息。僕を呼ぶ着信音。


「……出なよ、出なかったらまた妹に何されるかわからないよ?」


 優しく囁く。この上なく優しい声。笑顔。歪んだ笑顔。僕は携帯電話を操作する。声。聞きなれたかわいらしい妹の声。


『……お兄ちゃん?お兄ちゃん何処にいるの?』


 妹が家に帰ってきたのだろう。僕がいないから、心配しているのだろう。


「ちょっとね、昔のバイト仲間と久しぶりに遊びに……あっ」


 彼女は腰をグラインドさせる。右手を僕の下着の中に入れ、胸の部分をまさぐる。刺激が脳へと伝わる。


『……お兄ちゃん、大丈夫?また、"あの女"に何か変なことをされていない?』


 彼女は笑っていた。この上もなく恍惚とした表情をしている。彼女の表情から、ありありと今、考えていることが伝わってくる。彼女が妹に対して誓った復讐。復讐の達成。甘美な復讐の達成。

 ――貴方のお兄さんは、今私の下で腰を振っているわ。顔を赤らめて、気持ちよさそうに、悶えているわ。ねえ、妹さん、とてもお兄さんは幸せそうだよ?きっと、貴方もお兄さんの気持ちよさそうな顔を見て喜ぶと思うわ――

 多分、そんなことを考えているのだろうか。


「……大丈夫……大丈夫……そ、それは……あっ……無いから」

『お兄ちゃん、大丈夫?息が苦しそうだよ?体調崩してない?外にそんなうろついていないで、早く家に帰ってきなよ』


 普段だったら何事も無い、他愛も無い会話。仲の良い、兄と妹の会話。だんだんと下半身にかけられる力が強くなっていく。それに比例して、自分でも抑えが効かなくなっていく。全身が快楽の刺に巻きつけられたかのように、段々と、段々と。彼女は唇を重ねあわせる。電話の向こうから聞こえてくる、切ない声。


『早く……早く帰ってきてね……お兄ちゃん、お兄ちゃんがいないと寂しいからね……お兄ちゃん……』


 ごめんね、妹よ。お兄ちゃんは君を裏切っている。君を、どうしようも無い形で裏切っている。彼女が携帯電話に手を伸ばし、声を切断する。僕と妹を切断する。彼女は僕の頭を抱き寄せる。力が強くなる。力が強くなり、そして身体を振るわせる。お互いに肌が震える。まるで、共鳴し合うかのように。お互い、暫く顔を見合わせ呆然とする。そして、彼女は優しく囁いた。


「もうすぐ終わるよ、大丈夫だよ、何も心配しなくてもいいよ、"お兄ちゃん"のことは全部守ってあげる」


 僕は、まだ息の乱れている彼女を見る。そこには確かに"有村"さんはいた。僕は瞳を凝視する。何処か濁った、焦点の合わない瞳。そして口元。三日月のように浮んだ唇の形。何処と無く、僕は妹を思い出した。そこにいるのは、まぎれもない"妹"なのだ。同じ感情を持ち、同じほど愛情を注ぎ、そして同じくらい独占欲が強い、同じ女性。


「あの、取りあえず、服を着たらいいと思うんだけど」


 彼女はしまった、という顔をして、僕の身体の上から降りて、脱ぎ捨てた服をかき集める。すこし、手で砂埃を払い、身につけていた。僕は身を起こし、そして空を見つめていた。曇り。しかし先ほどの暗さとは違って、隙間から光が漏れ出している。その綺麗な光は、むしろこのあと身に起こることを予告しているのかもしれない。

 僕は、呟くように、さっきの言葉を反復した。

 もうすぐ終わる、か。

 でも、僕は確信していた。まだ終わらない。

第11話 03:09

 帰り道は何処か気だるい。


 当然、何時もそのような気分ではない。ただ、今日は特別に気だるいように思える。それは有村さんと、とうとう一線を踏み越えてしまったということも関係しているんだと思う。僕は、駅に辿り着くまでに、有村さんの顔を見る。先ほどの顔は何処にもなく、いつもの、明るい有村さんがそこにいた。その豹変に、何処か人間の不思議さというのを思わずにはいられない。

 駅に着き、改札の中へと入る。後ろを振り向くと有村さんが手を振っている。後ろを向いたのに気がついて、有村さんが声を張り上げる。よく通る声で、僕に話しかける。


 「ねぇ、また、同じことをして遊ぼうね!」


 満面の笑顔。僕は元に戻り、ホームへと向かう。そして電車に揺られながら、帰宅する。揺られる電車は、何時だって優しい、と僕は思う。ただゆっくりと僕の身体を揺すってくれる。ゆりかごのように。がたんごとん。



 そして、僕の家の最寄駅にたどりつき、改札口を出ると、ホームの柱に、寄りかかって体操座りをしている妹がいた。恐らく待ちつかれてしまったのだろう。妹は僕に気がつくと、立ち上がって、僕に向かって抱きついてくる。


 「お兄ちゃん、お兄ちゃん、何処にいってたの、お兄ちゃん……」


 僕の存在を確かめるように、妹は身体を撫で回す。それだけを見ると、僕にとっては少々気難しくて扱い辛い、かわいい妹だな、と思う。その妹は、ベットの上で見る妹よりも、何倍も何倍も愛おしいと思う。でも、この事実は妹にとっては、とても辛いことでもあるんだろうな、とも思う。


 「お兄ちゃん、家には誰もいないんだよ……寂しかったよ……」


 そうか、そうだろうな、と思う。誰よりも寂しがりやで強がりな妹。本当は、誰よりも不安を感じているのは、ほかならぬ妹なのかもしれない。


 妹が僕の手を引き寄せる。そして、手を絡ませる。指一本、一本を重ねて、硬く、強く。


 「うん、わかった、家に帰ろう」


 妹が笑顔になる。家の前についたとき、相変わらず扉は何処か僕を拒むようで、吐き気がする。妹が扉を開ける。そして靴を脱ぎ捨てると、僕の部屋へと向かう。別に、妹に部屋がないというわけではない。ただ、何時の間にか、妹は僕の部屋にいることが多くなっていた。

 僕は、妹が脱いた靴を揃えると、自分の部屋に戻る。妹は僕が部屋に入ってベットで横になっていると、恰も隣が自分のいるべき場所のように、しっかりと陣取るようになっていた。それでも、僕は気にせずに本を読んでいたりすると、それが気に食わないのか、邪魔をしてくる。例えば、ほっぺたを少し舐めてみたり。まるで猫のように、僕にじゃれついてくる。

 でも、今日は様子が違っていた。

 妹は、窓を後ろにして立っていた。夕焼けは、まるで血をこぼしたように鮮やかで眩しかった。妹の胸元できらきらと、何かが存在を表している。きらきら光るもの?金属?まさか……


 「お兄ちゃん、本当は何をしていたの?」

 

 妹は、手元にナイフを持っていた。刃の鋭利な部分を、自らに向けて。

 僕は、間抜けな声を上げた。


 「な、なにをしているんだ」

 

 妹は無表情のまま佇んでいる。夕焼けを背に向けて。カラスが鳴く。人々の足音。僕たち以外は、何も変わらない日常。僕は慌てて取り繕う。

 

 「落ち着けよ、物騒だからそのナイフを仕舞おう、な?」


 妹は、唇を震わせ、ゆっくりと開く。

 

 「お兄ちゃん、私の質問には何も答えていない……もう一度聞くね、お兄ちゃん、本当は何があったの?」

 

 僕は困惑する。一体、どうして、この時に限ってそんなことを。

 

 「何も無いよ、何も」

 

 妹の頬からは、一粒ずつ、涙がこぼれている。

 

 「嘘ついてたら?」

 

 胸の辺りが深く締め付けられる。沈黙。日はゆっくりと傾き、段々と空が紺色に染め上がる。

 

 「嘘ついてたら、このまま胸を一突きする。それでも、お兄ちゃんは嘘をついていないって言える?」

 

 妹は動かない。窓の隙間風が妹の髪の毛を優しく揺らす。僕は妹に、何かを試されている。そして、妹は本気だ。もしこの賭けに負けた場合、僕はきっと大切なものを失う。しかし、勝ったとして、僕は何を得るのだろうか?罪悪感? 

 だから、僕は降参した。

 

 「そうだ、僕は有村さんと、肉体関係を持った」

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2008-01-21黒歴史は貴方とだけの秘密(1~6話)

リンクはこちらへどうぞ

http://r18.g.hatena.ne.jp/nisemono_san/20080121

第一話 04:41

 妹との関係は健全であるべきだ。

 そして妹との関係は健全で「あった」。

 しかし、過去は未来を約束しない。


 「お兄ちゃん……朝だよ……起きて」


 朝は僕の妹が起こしに来る。僕の妹。丁寧に束ねられたツインテール。鮮やかに輝く茶髪。潤った唇。抱きしめられる背丈。吸い込まれそうなほど漆黒の瞳。どれを取っても、可愛らしい僕の妹。僕が彼女に対して性的な感情を持っていないといえば嘘になる。しかしそれを頭の中でかき消す。


 「お兄ちゃん、早く起きないとまた遅刻するよ」


 男性諸君ならばすぐにおきれない気持ちがわかるだろう。何しろ生理的な現象が自分の下半身で起きているのだから。妹は、それを知ってか知らずか、挑発するかのように息を耳元へと吹きかける。駄目だ。薄いパジャマでは、その形が鮮明に出てきてしまう。


 「うん、わかった、すぐに起きる」


 妹が出ていったことを確認すると、目の前のいうことをきかない息子をなんとかおさめようと、静かに、静かに目を瞑り、深呼吸をする。そののち着替えを行い、二人だけの食卓を行う。食卓にはつつましく、目玉焼き、味噌汁、ご飯が並んでいる。両親は仕事に出かけている。


 「お兄ちゃんは彼女とかいるの?」


 味噌汁を飲む手を止める。大学を中退し、未だにフリーターとも呼べないような不甲斐ない生活を行っている人間に彼女などできるわけがない。


 「……あはは、お兄ちゃんみたいな人に彼女なんていないよね?お兄ちゃんには彼女なんて一生できないよ!努力してもダメ!運もないし、才能もない!あはは、きいた私がバカだった!あはは、怒った?お兄ちゃん怒った?」


 正直、聞き飽きていた。いつものことだ。妹は兄をバカにする。落ち込んだフリをする。妹は満足する。それが僕の望んでいるような日常だし、それでいいとは思う。でも、ある時期からこのセリフには続きがでてくるようになった。

 僕には――認めがたいセリフが。


「……だから、お兄ちゃんは私が貰ってあげる」


 聞かなかったふりをして、半熟卵を割る。黄色い液体がどろっと溢れ出し、白い部分を侵食し始める。それに手際よく醤油をかけ、ご飯に乗せる。妹は既に食べ終わったみたいで、準備をし始めている。テレビからは今日の空模様が流れ出している。天気予報だ。今日は曇り。


「……お兄ちゃん、今日も暇なんだよね?だから、学校に送ってよ」


 妹の得意とするもの。それは頼みごとに見せた"命令"。

 以前に一度だけ、バイトの面接を理由に、送り迎えを断ったことがある。

 "命令"を破れば"制裁"がある。そのとき、妹は僕に対して脅迫を行ってきた。両親に対して酷いことを吹き込む。あるいは友人たちにも言いふらす。または、物理的な痛めつけ、制裁も同時に行う、等々。羅列するときりが無い。正直ばかばかしいと思っていた。どうせハッタリだろうと。

 しかし、"制裁"はやってきた。

 まず両親による説教が始まった。まだこれならいい。

 次に筋肉質の見知らぬ男子から絡まれる。まだこれもまだいい。

 しかし、更なる脅し――深夜。

 実のところ良くは覚えていない。ただ、そのセリフだけは覚えている。考えるのもおぞましいような、あのセリフが再生されていく。


「――ねえ、お兄ちゃん……今の状態の写真をみんなにみせたらどう思うかな?どう思うんだろうね?あはははは、お兄ちゃん、お兄ちゃん、私はいいんだよ、ねぇ、お兄ちゃん、もうこんな写真を見せられたら外も歩けなくなっちゃうね!そしたら、お兄ちゃんはずっと家にいなきゃいけないんだね!お兄ちゃんは一生私のもの!お兄ちゃんをずっとずっと私が見ててあげてもいいんだよ?お兄ちゃんはずっと私を必要とするしかなくなるんだよ!あははは!すごく楽しい!お兄ちゃん、いまの状況を何処に上げようかな?お兄ちゃんが更新しているブログだったらすぐ火の手が上がっちゃうかもね!楽しいなあ!お兄ちゃん、聞いてる?どうするの?お兄ちゃん?私はいますぐにだってばらまきたいな!そしたら確実にお兄ちゃんが手に入る!すごくどきどきする!もっと、もっと凄いことしたい?取り返しのきかないことしたい?ねえ、ねえ、お兄ちゃん?どうするの?お兄ちゃん――」


 僕はその夜に降伏した。


 そんなことを思い出しながら、通学路を歩く。

 妹は正直人気者だった。だから更なる疑問が浮かぶ。

 何故、他ならぬ僕なのか。


「……なあ、お前にだって彼氏が出来るだろ、よりどりみどりだろ」


 妹は見上げる。笑っているように見えた。目は笑っていなかった。


「……お兄ちゃん、二度とそんなことを言わないでね……」


 そして、何事も無かったように校門の向こうへと駆け抜けていく。同級生とのわきあいあいとした会話。その姿を見れば、ただの受験を控えた中学生であった。そのほほえましく、かわいい姿を見送ったあと、僕は家に帰ろうとした。

第二話 07:05


 「え、せ、は、ら、く、ん?」


 後ろから声がした。聞き覚えのある声。何度も繰り返し聞いたことのある、あの声。


「有村?」


 僕は振り返る。いた。黒いショートウルフ。黒い瞳。黒い服。長めの黒いスカート。黒で統一された彼女。猫目で、身長は僕と同じくらい。そのめりはりのついたスタイル。出会ったときから変わらない、その美しさは、僕には眩しすぎるほどであった。ただ、彼女に難があるとするならば――


「似非原君、やっと会えたね」


 彼女はさも当然の如く腕を巻きつけてくる。僕はそれに困惑し、振り解こうとする。


「俺たちは"恋人同士"じゃないだろう」


 彼女は笑顔で、僕を覗き込み、このように言う。


「えっ?逆に似非原君は"恋人同士"じゃないとこういうことをしてはいけないと思っているの?遅れているなー。仲のいい友達でもこれくらい当たり前。どうせだったらセックスもする?」


 とても明るくて無邪気で、悪気も悪意も何も無く、僕にこのように喋りかけ、こうして接してくる。問題は、その言動が過剰なところにある。ところかまわず僕を誘惑する。僕はそういうのに接しなれていない人間だから、とても困惑する。


「だから、もう、そんなにベタベタしなくても――」


 僕は自分に出来る精一杯の抗議をしたつもりだった。でも――


「似非原君、怒ってる?」


 彼女は僕を覗き込んだまま。ただ違うことといえば少し涙目になっていることくらい。何か、僕が悪いことをしているような気持ちになって、言葉を引っ込める。解ってる。彼女には"こういうこと"に関して抗議しても通った試しがないことくらい。


「いや、別に怒ってはいな」


 聞き終わるかどうかせずに彼女は返事をした。もう答えなんて解っている。そんな確信をこめて。


「じゃあこのままでいいね!嬉しいなあ」


 さっきよりも強く腕を抱きしめられ、体重をかけられる。困った。通行人が僕たちを見ている。そりゃそうだ。美女と野獣の組み合わせ。それは好奇の目でみられる。正直恥ずかしい。


「やっぱり、その、恥ずかしいよ」


 そう言うと、彼女はすんなりと腕を外した。意外に言うことを聞く人だったかな、とふと思う。だが、僕の見込みは甘かった。その後が問題だった。


「ねえ、どうして?どうして恥ずかしいの?私が、その、私が不細工だから」


 そんなことはない。少なくとも僕にはもったいなすぎるくらいなのに。それなのに。


「ねえ、似非原君、なんで私を邪険に扱うの?ね、悪いところがあったら直すよ、ね、そうだよね、かっこいい似非原君の、隣に私の、ような、子、がいたら……嫌だよ……ね」


 彼女は見る見るうちに泣きそうな顔になる。そんなつもりで言ったんじゃないのに。


「そ、そんなこと無いよ!だから、泣かないで」


 彼女は僕に否定するとこんな風になってしまう。


「本当?だった、ら、もう、一度、手、繋いでも、いい?」


 僕に残された選択肢は一つしかなかった。


「いいよ」


 僕がそのように答えると、彼女は満面の笑顔になった。


「嬉しい!」


 彼女の抱きしめる力は強くなっていく。まるで、僕を離さないように、強く強く。

第三話 12:08

 彼女は腕を離さなかった。

 それだけではなく、彼女は腕に身体を押し付けてくる。

 胸があたる。彼女の大きな胸が。

 僕にはそれが気になって仕方がなかった。当然、僕だって女性の好きな青少年だし、そのような挑発をされたならば、反応するところは反応する。なんとか抑えるために、頭が上手く回らなくなる。そのような僕の様子を知ってか知らずか、彼女は無邪気な笑顔をこちらに向けた。


「ねえ?今日、遊びに行ってもいいかな?」


 否定は出来ない。というより、またあんなふうに泣き出されたら、僕は困ってしまうし、泣き出したとしても家の前までついてくる。つまり僕には選択権はない。来るなと言っても来てしまうものは来てしまう。僕は答えかねていると、彼女はふっと耳に呟いた。


「妹のことなら心配しなくていいよ」


 多分、彼女も気づいている。僕に向ける、妹の歪んだ愛情というものを。だからそれに譲歩してくれているのだと思う。僕が彼女に別れようと切り出したとき、それに快く引き受けてくれたのも、その理由だったのだろう。そして、僕達は共犯関係を結んでいる。お互いを嫌っているという素振りを見せるという、共犯関係。

 僕は、実は彼女を振った理由がもう一つある。だけど彼女には知らせていない。

 それは、彼女もまた僕に歪んだ愛情を見せているということ。


「似非原君の家かー!嬉しいな!」


 彼女を家にあげると、彼女はさも自分の家の如く、僕の部屋へと向かった。ここは自分の家のはずなのにな、と思う。彼女を追いかけて、僕は部屋へと向かい、ドアを開ける。

 いない。

 果たして何処に消えたのだろうか。またいつものいたずら癖かな。そうやってベットの近くに腰をかける。すると布団が波のように覆い被さってくる。

 布団の中で、僕は彼女の下になった。


「やっと、つかまえた!似非原君!」


 暗闇。

 視覚の無い分、吐息、体温、触覚が強調されて伝わる。

 そこに彼女はいる。


「ねえ、これでも妹のほうがいいと思う?」


 僕の身体を撫で回す手。

 それが何を意味しているのかは解っている。

 僕は危険にならないうちに飛び起きた。きょとんとする彼女。


「どうしたの?気持ちよくなかった?」


 彼女は少し笑う。淫靡な笑顔を。僕へと近づいてくる。


「それとも、こんなんじゃ満足しないのかな」


 彼女は着ていた服を少しずつ脱ごうとする。違う、こういうことをしたいわけじゃないんだ。ただ、僕は二人でコーヒーを飲んで、ゲームをして、話をしたり、漫画読んだり、それだけなんだ!そう言いたかったけれども、何も声は出やしなかった。そもそも声に期待しても仕方が無かったんだ。


「似非原君は、妹に感じてしまうような悪い子なんだよね、だから私がちゃんとまっとうな人間になれるように躾してあげないといけないんだよ、兄妹がお互いにそんな感情になるなんてダメだよ。外に出たら、もっともっといいことがあるってことを教えてあげるからね」


 僕は誓ってもいい、妹に一切の恋愛感情を持ったことは無い。

 彼女も、それは十分知っている。

 だけど、多分彼女は妹に嫉妬しているんだと思う。

 この場にはいない妹。僕と屋根の下で一緒に暮らしている妹。僕をこき使う妹。罵倒する妹。誘惑する妹。その行動全てが、僕を所有したいが故に行う妹。その全ての妹に嫉妬をしている。妹が僕を独占し、支配しているというその事実に。

 彼女は意図的に勘違いしている。僕が彼女と付き合わないのは、妹のせいであって、決して自分のせいではないんだ、と。それは半分正しく、半分間違っているのだけれども。そもそも、躾だなんて、僕より二歳年下じゃないか!

 顔を近づけ、ゆっくりと唇を重ねる。唾液の音が響く。

 ねっとりと、執拗に舌が絡み合う。息遣いがそのまま伝わってくるような、丁寧な口付け。彼女が口を離したとき、糸を引いた。僕達は暫くお互いを呆然と見ていた。そして、彼女は跳ね除けた布団をもう一度引き寄せ、自分たちの上に重ねた。


「子供のころ、こういう風に布団を被ってなにかやるのって本当に秘密みたいで楽しかった気がする。これから、私たちも秘密のことをするんだよ。私と貴方だけの秘密。誰からも見られちゃいけない秘密」


 久しぶりに僕は骨抜きにされてしまっている。このままだったら彼女のペースだ。なんとかして考えないと、何とかして。彼女は手を首に回してきて、そのまままた――

 何かが布団をめくる気がした。

 正直、誰かわからなかったけど、助かった気がした。

 でも、次の瞬間、絶望に変わった。


「……お兄ちゃん……裏切ったんだね……」


 本当はそこにいてはいけない妹が、そこにいた。

第四話 14:56

 妹が狂い始めた日。

 あの日以前までは僕達は本当に、ごく普通の兄妹だった。

 時に足蹴りにされ、馬鹿にされ、何があったとしても普通の兄妹だった。


 でも、過去は未来を保証しない。


 僕が有村さんを妹に紹介したのは二年前の、大学に未だ在籍していたころの話だった。有村さんと僕は新歓コンパで最初に会ったのがきっかけだった。最初、僕は彼女のことを覚えていなかったけれども、彼女は僕のことを覚えていたらしく、キャンパスの中でときどき声をかけてくれることになった。元々僕は語学のクラスともなじめす、何処のサークルにも所属することのなかった僕は、唯一、彼女が話し相手だったと思う。彼女も同じようにあまり人と集まって話しているところは見たことはなかった。

 暫くしてから、彼女から「似非原君のおうちを見てみたいな」と言い出し、僕は渋々了解した。僕は一緒に部屋で座ってゲームをしていた。敗者は罰ゲームつき。一つだけ、相手の命令に言うことをきく。


「んー、似非原君強いねー、でも負けないよ」


 このゲームは僕が大学に帰ってきてからずっとやりこんでいたものであり、自信のあるものだった。最初のうちは、彼女に手加減をしてあげようと思っていたのだが、何時の間にか本気になり、そして完全なる敗北。運動神経にも天賦の才があるように、ゲームにも天賦の才というものは存在するようだ。


「んふー、似非原君、ぜんぜん大したことないんだねー」


 屈辱だった。


「じゃあ、罰ゲームだね?」


 僕は覚悟を決めた。別に彼女だって飛び降りろとか無茶な命令をするわけではない。せいぜい近くの喫茶店にてケーキセットを奢れというくらいのものだろうと腹をくくっていた。


「んー、じゃあ10分間目を瞑っていて」


 それなら簡単。僕は潔く目を瞑っていた。

 暫くすると、唇に何かやわらかくてあたたかい湿ったものがあたった。

 他でもない彼女の唇。

 僕はびっくりして目を開けてしまう。不満そうな表情の彼女。


「10分間目を瞑って、って言ったじゃん!やり直しね」


 僕は言われるままに目を瞑ったままにする。唇は口先に辺る。そしてその唇は段々と下にずれていき、首筋へと向かう。唇から少し出した舌が唇の移動と共に這い回る。身体に抱きかかえられるような感触があると今度は耳を甘噛みし、そしてうなじへ。いったい、彼女は何をしているのか僕には理解できなかった。しかし、その刺激に悶えていた。

 彼女は、僕に、何がしたいのだろう?

 それはもうわかりきっていたことだった。

 心臓の鼓動が伝わり、吐息が聞こえる。この甘美な雰囲気に浸りたいのか、それとも逃げ出したいのか。僕は判断をつきかねるまま、結果としてはこの享楽に身を任せることを選んでしまっていた。

 だが、それも終わりがやってくる。

 妹が帰ってきたのだ。

 ドアが勢いよく開けられる。


「お兄ちゃん!ご飯、食べ……よ?」


 呆然とする僕たち。空気が一瞬にして静まりかえる。

 結局のところ、僕と彼女はその日のことはうやむやにしたまま、妹と一緒にご飯を食べ、慎ましくその日を終えた……筈だった。


「お兄ちゃん、さっきの女は誰?」


 いつもの見下したような顔ではなく、むしろ眉間に皺が寄った険しい顔をしていた。何をそれほどまでに嫉妬しているのか解らなかったけど、尋常な雰囲気でないことを察したため、すぐにフォローを入れる。


「ただの友達だよ、ただの……友達だよ」


 ただの友達なのかは解らない。多分、この答えが正しいのだ。現時点では。


「嘘だ!嘘だ!あんなことする友達なんていない!」


 そりゃそうだ。今考えてみれば、かなり自分でもおかしい気がする。でも、そう言うしかないんだ。


「本当だって、お兄ちゃんを信じてくれ、頼む」


 自分でもなんでこんなことを頼み込んでいるのか良くわからないけれども。


「うん……そうだよね……お兄ちゃんにあんなかわいい彼女が出来る筈ないもんね」


 険しい顔は何時の間にか、見慣れた、人を馬鹿にする表情になっていた。でも目は笑ってはいない。あの澄んだ目ではなく、何処となくくすんだ、焦点の合っていない目……そして最後にこう呟いた。


「だって、私たち兄妹だから、妹のほうが大切に決まってるよね」


 それが、妹が狂い始めた、きっかけの日。

第五話 07:00

 ――で、今の話。

 僕の前に現れた妹。

 布団をたくし上げて僕を見る妹。

 妹は笑っていた。僕は恐怖した。彼女は知ってなのだろうか、それとも知らずのうちなのだろうか、僕を強く抱きしめた。子供が玩具を取られないように。強く。強く。

 妹は布団を剥がし、表情を崩さずに、僕へと語りかける。


「お兄ちゃん、何をやっていたのかな?」


 妹は首を傾けた。妹は知っているのだと思う。今までおきたことも、これからおきたことも。暫く続く沈黙。先に口を開いたのは、僕。


「あ、な、なんでお前が家にいるんだよ」


 そんなことを言えば、僕の立場が悪くなることは解っている。


「あ、嫌な予感したから仮病を使って早退したんだよ。帰ってきたら案の定、そうだった」


 妹は、ちょっとだけ悲しそうに表情を崩す。演技だ。有村さんに対して見せ付けるために。彼女は抱きついたままだった。横目で表情を見ている。彼女は妹を睨みつけていた。


「で、もう一度聞くよ。お兄ちゃんは」

「そんなの、貴方には関係ないじゃない……」


 きっとたまりかねたのだろう。有村さんが口を挟んだ。小声で、強く、はっきりと。


「だいたい、学校をサボったってことでしょ?バカじゃない……自分の兄が誰と付き合おうがそんなの関係ないじゃない……本当に気持ち悪い……」


 妹は少しむっとしたようだけれども、また表情を戻し、僕をじっと見ていた。僕は何も言えなかった。自分の臆病さを恨んだ。少し気になったのは、彼女が「付き合っている」と言ったことだけれども。


「お兄ちゃん……そっか、この"女"がいるから話ができないだよね……」


 少しクスクスと笑い、憎たらしげに言うと、彼女を見て、こう言った。


「少し兄とお話があるので、申し訳ないんですけど、今日は帰って頂けませんか?」


 妹は、一言一言、丁寧に、はっきりと、伝わるように声を出した。よく透る声。僕を見つめる彼女。妹の表情を見る。自信に満ちた顔だった。妹の表情は、僕に、選択肢がないことを伝えていた。


「ごめん、有村さん……今日のところは帰ってくれてもいいかな?」


 彼女はうつむき、首を振った。


「わがままを言わないでください、兄が困っています」


 僕が何度か説得したあと、渋々ながら彼女は手を離し、服を整えると、一言呟いて、部屋を出て行った。


 彼女が最後に言ったのは次のような言葉だった。


「貴方を許さない」

第六話 08:39

 ドアが閉まる。

 再び部屋がひとつの完結した空間となる。

 僕と妹しかいない部屋。そのことを確認したのか、妹は笑い出す。


「あははは!あははは!お兄ちゃん、泥棒猫はいなくなったね」


 僕の隣に座る妹。恰も、そこに座れるのは本来自分であったことを主張するかのように。笑顔は一変して、真面目な顔になる。


「で、お兄ちゃん、あの女と何をしていたのかな?」


 妹は僕との距離を詰めてくる。真面目な顔を近づけて、僕を問い詰める。


「お兄ちゃん、黙っていたら解らないよ」


 解っているはずだ。解っているはずなのだ。だけれども、僕に問い詰める。どのように答えたとしても、彼女の中では答えが決まっているのだと思う。多分、妹にとってこれは大切な儀式。


「いや……何もしていないよ」


 妹は少し首を傾げる。そして少し悲しげな、残念そうな表情に変える。


「そう……正直に答えてくれないんだね……」


 正直に答えているつもりなのに。妹は僕との距離を近づけてくる。そして服の下から手を入れる。横腹に手を当て、少しつねった。


「痛っ!」


 妹は先ほどの悲しそうな顔を崩さず、僕を見つめている。僕は目を逸らす。妹は僕の首筋へと手を伸ばす。愛おしそうに撫でる。そして、首に巻きつけた手に段々と力を入れる。締め付けられる僕の首。


「ね、正直に、言って?」


 妹の手を叩く。


「お兄ちゃんはあの女、あの泥棒猫と、いやらしいことをしようとしていたんだよね?お兄ちゃんには私というものがありながら、浮気しようとしていた。正直にいいなよ」


 ただ必死に頷いた。妹は笑顔になって僕の手を緩めた。少し咳込み、呼吸を整え直す。妹は唇を重ねる。そして舌で丹念に舐めまわしていった。丁寧に、何処も。妹の唾液と混ざりあっていない場所がなくなっていく。拭き取るように、何度も、何度も、同じ部分を舌が這う。そして、唇を離して、妹はこう告げる。


「ねえ、お兄ちゃん、私を裏切ったのだから、お兄ちゃんは罰を受けなければいけないね」


 妹の罰。

 それは単純なものだった。

"第七話へと続く"

JaneJane2011/04/16 11:43Glad I've finally found somehtnig I agree with!

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